大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2386 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人清野鳴雄の上告趣意について。

所論はいずれも単なる法令違反の主張であり、刑訴四〇五条所定の上告適法の理

由に該当しない。

被告人Bの弁護人阿部晃音の上告趣意第二点について。

所論は単なる訴訟法違反の主張であり刑訴四〇五条所定の上告適法の理由に該当

しない。のみならず有罪を言渡す判決には罪となるべき事実、証拠の標目及び法令

の適用を示せば足るのであつて、必ずしも量刑上斟酌された事情及びその理由等に

ついて、いちいちこれを説示することを要するものではない。しかも量刑は刑の言

渡をなす裁判所の自由裁量に委ねられているところである。そして本件において検

察官が原審に提出した控訴趣意書に記載されている所論錐に関する事実は、第一審

の科刑軽きに失するとなす論拠たる犯情の一つとして主張されたに過ぎないもので

あることは多言を要しないところであるから、原審がこの点につき特に判示しなか

つたことを捉えて原判決に所論のような違法があるということはできない。所論は

単なる訴訟法違反の主張としてすら採用に値しないのである。

同第一点及び第三点について。

論旨第一点は事実誤認の主張であり、(殊に本件では所論共犯者中何人が主謀者

であるか否かというが如きことは罪となるべき事実に該当するものではない)、ま

た同第三点は量刑不当の主張であり、いずれも刑訴四〇五条所定の上告適法の理由

に該当しない。

被告人Cの弁護人布施辰治上告趣意について。

刑の執行猶予の言渡をするか否かは刑の言渡をなす裁判所が当該事件にあらわれ

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た諸般の事情を斟酌して裁定するところに委ねられている。所論はいずれも結局事

実審である原審の裁量である原審の裁量権に属する刑の量定を非難するに帰着し刑

訴四〇五条所定の上告適法の理由に該当しない。そしてまた原判決の科刑が所論の

ように「著しき行刑不当の誤りを犯し」これを破棄しなければ著しく正義に反する

ものとは認められないから、本件では同四一一条を適用しない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号により主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二六年六月一四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

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